野島運輸インタビュー記事

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野島運輸(株) 氷川自動車交通 トップインタビュー 大角さん

氷川自動車交通 責任者 大角健泰
税理士事務所、M&A会社などを経て2016年4月より現職。

 

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インタビュアー 公認会計士協会準会員 諸星伸純
2015年11月 公認会計士2次試験合格。監査法人勤務。

 

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諸星 今回は、草加市で非常に伸びているタクシー会社があると聞いてインタビューに伺いました。

 

大角 いや、まだまだこれからです。ほんの少し良くはなったとは思いますが・・・。

 

諸星 2年前に調査したときは、帝国データバンクなどでも非常に厳しい評価だったと聞きます。

それが昨期は黒字化したそうですね。
1年ちょっとで業績が大きく改善した秘密を今回はお伺いしたいと思っています。

 

大角 私たちの会社はお金もありませんし、そんなに特別なことをやったつもりはないんです。

本当に当たり前のことをやっただけで。

 

諸星 いいですね。ぜひその『当たり前』を聞いてみたいです。

まず、大角さんが考える『良い会社』とは何でしょうか?

 

大角 一人一人の個性が生きる会社です。

毎日通う会社が大切な居場所になれば自然とやる気も出るし、創意工夫もしてくれるようになります。

 

諸星 素晴らしい理念だと思います。

ただ、多くの経営者がその実現に苦労していると思いますが、大角さんはどうやってそれを実現していますか?

具体的な取り組みを教えてください。

 

大角 まだまだ実現しているとは言えないと思いますが、1つはボトムアップを大切にすることです。

多くの会社がまだトップダウンでものを決めていますが、私たちは現場からの意見を吸い上げることを意識しています。

 

特にタクシーは、現場でしか分からない事も多いです。

安全運転といっても、お客さんから急かされることもありますし、かと言って言い方を間違えれば即クレームに繋がります。

結局、現場の方に自ら判断して行動して頂くしかありません。

 

ですから、氷川自動車ではドライバーさんに権限を与えて、採用する/しないもドライバーと一緒に決めていきます。

 

諸星 上に立つと心配でついつい管理してしまいがちですが、思い切って任せられるというのが素晴らしいですね。

そう言えば先ほどもドライバーさんと長く話し込んでいましたね。

 

大角 自分では自然にやっている部分もありますが、コミュニケーションは常に取るようにしています。

現場から意見を吸い上げるのも、普段からのコミュニケーションが大切になってくるので。

 

私たちの会社では、日常的に勉強会を行って運転の質を上げていく取り組みをしています。

事故は防げませんが、その対処はできます。

例えば、googlemapで事故が起こりやすいシチュエーションを抽出して、みんなでケーススタディをします。

 

具体的には、この交差点で雨で視界が悪い時はどうするか?など一人一人に聞いて議論をします。

キャリアの浅いドライバーさんはベテランの経験から学べますし、ベテランドライバーさんにも癖や思い込みがありますから

お互いに良いフィードバックを与え合えていますね。

 

諸星 自発性を重視しつつ、コミュニケーションを活発にしてチームワークを強固にしていく。そんなイメージでしょうか?

 

大角 おっしゃる通りです。

タクシーは個人事業主の集まり的な雰囲気が強いですが、ウチは個人5割、チーム5割という意識で仕事をしています。

上下関係もあまりなく、私が若いこともありますがどんどん意見を出してくれますね。

 

私が部門のトップではありますが、役割の違いに過ぎません。

私はタクシーの運転経験もありませんし、現場を知らない人間が指示しても限界があります。

ですから、ドライバーの方々からの情報が自分にとっても生命線だと思っています。

 

諸星 お話を伺っていると業績が伸びている理由がよく分かります。

成果の面で、大角さんが就任して以来もっとも大きく変わったのはどこでしょうか?

 

大角 売上面もそうですが、従業員の自主性を重視し始めてから苦情が大きく減少しました。

最近は苦情が無さ過ぎて苦情の処理の仕方を忘れてしまったので、苦情対応できないかもしれないと心配になります(笑)

 

私なりの分析ですが、苦情処理に見られるように顧客満足を高めることができたのは

従業員が会社に満足してくれたからだと思っているんです。

 

諸星 どういうことでしょうか?分かりやすく説明して頂けますか?

 

大角 はい。以前の氷川自動車は、マズローの欲求5段階説*でいう安全欲求や社会的欲求の段階で止まっていました。

ですが、人間は自分の心に余裕がないと他人の事まで考えられない生き物です。

 

私たちはサービス業でお客様を選ぶこともできないので、お客様に寄り添えるドライバーさんが最大の資産になります。

他人のことを考える余裕を持てるようになるため、従業員の生活を安定させ、社内の人間関係や雰囲気を良くすることを大切にしてきました。

 

今の氷川自動車の社員は皆、尊厳欲求や自己実現欲求で動いています。

 

 諸星 売上や利益の面ではどうでしょうか?成果は上がりましたか?

 

大角 売上に関しては台数に制限があるので2倍、3倍とまではいきませんが順調に伸びています。

利益に関しては、ドライバーさんの工夫で事故や無駄が減り、大きく改善しています。

 

ドライバーさんには本当に感謝しています。

たとえば今、LEDライトを導入していますが、これも現場からの意見を採り入れたものなんですよ。

 

諸星 何だかお聞きしていると楽園のように感じてきました。

私も氷川自動車に転職しようかな(笑)

 

大角 ちょっと良い面ばかりお話し過ぎたかもしれませんね。

ウチは非常に自由な社風ですが、大前提として最低限の成果は求められます。

決して厳しいノルマではありませんが、真面目で向上心のあるドライバーさんが多いので

『何となくダラダラして休んでいる』ような状態は注意されることが多いです。

 

私自身も、やる気が出なくてダラダラしている位なら飲んで気分転換したり、家で寝ている方が良いと考えています。

会社に居るか居ないかは私にとって重要ではなく、その人のライフスタイルを最大限尊重する代わりに、

会社が存続できるだけの最低限の成果は出して欲しいという考えです。

 

諸星 当たり前ですが、経営者として数字へのこだわりは非常に強いと感じました。

 

大角 はい。それが私の仕事なので。

数字を出せなくなったら最後は私が責任を取らなければなりません。

私は、従業員にフィードバックをする際も感情で話をする事はありません。

 

氷川自動車では、ドライバーのデータは全て数字化してデータを見ればドライバーの行動が分かるようになっています。

成果の出ているドライバーさんと出ていないドライバーさんを比べれば、

成果の出ていない人は何が問題なのか、私にはすぐに分かるようになっています。

 

諸星 そのデータを生かしてドライバーさんにフィードバックするんですね?

 

大角 実は、できるだけそれをしないようにしているんです。

 

諸星 え?原因が分かっているのに伝えないんですか?

 

大角 はい。大切なのはドライバーさんが成果を出してくれることです。

成果を出すには行動が変わらなければなりません。

私が一方的に正解を言っても、納得して行動を変えてくれなければ意味がありません。

 

ですから、私は数字は伝えますが可能な限り『ああしろ、こうしろ』とは言わないようにしています。

一人一人が数字の意味を考えて、会社を続けるにはどの位の利益と売上が必要なのか、

そのためには自分がどれだけ成果を出さなければいけないのか、自分で答えを出して行動を変えて欲しいと思いますし、

それが本当の成長だと思っています。

 

諸星 素晴らしいお話をありがとうございます。

社内が良い雰囲気になっている理由がよく分かりました。

最後にこれから氷川自動車へ入社したいという方へ、氷川自動車の良いところを教えてください。

 

大角 認め合って助け合う社風です。

居場所があってお金と心が満たされれば他者のことに目がいくようになりますから、

従業員が満足できる職場になることが一番だと考えています。

 

ちょっと不器用でサラリーマンに向かない人でも、ウチでは大戦力。

それでいて稼ぎも普通のサラリーマンよりも良いと思います。


10年ちょっとの社歴で平均勤続年数8年。

これは非常に誇れることだと思っています。

私も含め縛られるのが嫌いで個性派揃いの会社ですが、

人間らしくてよいかな、なんて思います。

 

自分の人生を変えてみたい。

そんな方にぜひ来ていただきたいと思っています。

 

*マズローの欲求5段階説

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる。

下の段階から生理欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5段階となっている。

 

雑感

 お洒落でスマートな印象の大角さんですが、語られる言葉は人に対する優しさと思いやりに溢れていました。

インタビューの合間合間で、氷川自動車交通の従業員さんと冗談を言い合っている姿が印象的でした。

 

まだ小さな会社ですが、きっと大角さんと一緒に着実に成長していくんだろうなと思います。

野島運輸(株) 氷川自動車交通 従業員インタビュー 星野さん

氷川自動車交通 星野武彦さん
2017年12月。主に深夜勤務で運転手勤務。以前は都内のタクシー会社で運転手の経験もあり。

 

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インタビュアー 公認会計士協会準会員 諸星伸純
2015年11月 公認会計士2次試験合格。監査法人勤務。

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-はじめまして。まずは、星野さんが感じる氷川自動車交通の良いところを教えて下さい。

比較的自由に仕事ができることですね。ここまで自由な会社はなかなかないと思います。
きちんと仕事してれば何も言われないですし、プライベートな部分まで突っ込まれることもないです。

 


-プライベートな部分に色々言われることもあるんですか?

例えば休日の過ごし方などがあります。食事や睡眠など細かく指示されることもありますね。

 

 

-プライベートまで指示があるというのは驚きです。今の方が仕事もやりやすいですか?

楽ですね。仕事以外のことであれこれ言われると考えすぎてしまう部分があります。
それ以上に良いのは仕事に集中できることですね。その方が責任感も生まれます。

管理されないからといってタクシー運転手であれば手を抜こうと思う人はいないと思います。

 


-失礼かもしれませんが、星野さんは氷川自動車交通で働き始めたときは普通でない状態だったそうですね?詳しく聞かせていただけますか?

住む家も無く、家族との折り合いも悪く非常に困窮していました。ずっと底辺の生活でしたが、ここできっかけをもらえて、そこから脱出できつつあります。
氷川では住む場所もチャンスも提供してもらって感謝しています。

 


-星野さんはすごく前向きですね。今の目標とかあればお聞きしても良いですか。

そうですね。今はお金を稼いで自分の家と車を持つことを目標に仕事しています。

 

 

-ありがとうございます。星野さんがタクシー運転手として大切にしていることはありますか?

サービス業という意識です。お客さんがいるので、ただ運ぶ仕事ではなくお客さんに気持ちよく乗っていただいて「ありがとうございました」までが仕事です。
目的地に安全に着くのは当たり前。お客さんとのやり取りの中でどう対応するか?で違いが出ます。

こちらの道の方が近いという事も多くありますが、自分の判断よりお客さんの気持ちや状況を大切にしています。


相手目線を欠いて独りよがりの親切心になると苦情になってしまって、会社にも迷惑がかかってしまいますから。

私は運転技術面でドライバー同士違いはなく、対お客さんの対応で違いを出せると思っていいます。
トラブルから自分の身を守る意味でもコミュニケーションが重要になってきます。

 

あとは神経質にならないこと。お客さんで癖のある人もいるから切り替えること。気にしすぎると運転に響きます。
運転に集中しつつ、お客さんの話も頭の3割~4割で聞いていく感じです。

 


-なるほど。勉強になります。苦情というのはタクシーの仕事では多いのでしょうか?

以前の会社では多かったです。苦情は、ほとんどが顧客とのやり取りが原因です。
私は知ったかぶりをせず、知らないことは知らないと言うようにしています。
恥を忍んで素直にお客さんに頭を下げることが大切だと思います。

 


-変なプライドを持たずに仕事をされているのが素敵ですね。

卑屈にならないことも大切です。私たちとお客さんとは一つの契約で結ばれています。
私たちは正確、安全、迅速に届けること。お客さんは車内を汚さず、暴力をしないこと。
お客さんが契約を守れない場合は、きちんと主張しなければなりません。

 

惰性になってピストンのように仕事するのではなく、一つ一つ大切に仕事をすることを氷川自動車の先輩に一番はじめに言われました。
短い距離でも長い距離でも、お客さんを差別せず気持ちよくタクシーに乗ってもらうことを心がけています。

 


-良いお話ですね。ところで、他社でも働いたことのある星野さんに伺いたいのですが、氷川自動車と他の会社との一番の違いは何だと思いますか?

氷川では運転手仲間も責任者にも言いたいことを言える雰囲気があります。たとえばミーティングも、他社では運行管理者からの一方通行でした。

『こういう事故がありました。』『はい、気をつけます』で終わりです。

 

ここでは人間関係が良くて疑問点などをぶつけ合える雰囲気があります。
話しやすくて、『こういう時はこう対応しよう』など一人ひとりの疑問点を解決していきます。

 

ここまで運転手を尊重して自由にやらせてくれる会社はないと思います。
ここは本当に自由なので、ここで無理なら他のどこでも無理なのではないでしょうか。

責任は大きいけど、任せてもらえるのでお客さんに集中できる環境です。

 


-最後にもう一度、氷川自動車交通の今後の課題も含めどんな会社か教えて頂けますか?

課題ですか・・・。うーん、見た目とか喋り方が怖い人が多いことですかね(笑)
でも打ち解けると良い人ばかりですよ。
僕はしゃべりは得意ではないけど、周りの人が気にかけてくれてくれる、気付かせてくれる雰囲気があります。

個性豊かな人が助け合って仕事をする感じです。

 

野村再生工場じゃないけど、他の仕事で挫折した人でも成功してお金も稼げます。
草加周辺で運転手をやるなら氷川自動車交通が一番おすすめですね。

 

 

雑感

星野さんは物静かで非常に知的な印象の方でした。苦労されているにも関わらず、社会や他の人への非難など全く無く、常に前向きな言葉を口にされていたのが印象的でした。

 

帰りに星野さんのタクシーに乗せて頂きましたが、非常に丁寧な運転と落ち着いた対応が心に残っています。

 

草加の氷川自動車で星野さんというドライバーさんの車に乗る機会があったら、ぜひ『記事見ましたよ!』と伝えてあげて下さいね。